2006.9.29(16週)
無脳症

結婚して待望の妊娠。主人をはじめとして、家族や周囲から喜ばれ、とっても幸せでした。
妊娠中はつわりやイライラ等でブルーになったりする方もいらっしゃるそうですが、私の場合はお腹に自分の赤ちゃんがいると思うと、つらいつわりすら嬉しく、毎日がとても幸せでした。しかし、13週頃に頭の形がおかしいと言われ、15週で無脳症と診断されました。
病院の中では我慢していましたが、一歩外に出た瞬間に涙があふれて止まりませんでした。家族とも相談した結果、人工死産をする事にしましたが、とっても悲しくて。毎日泣いてばかりいましたが、この子がお腹にいてくれてる間はと思って、栄養に気を配った健康な生活を続けました。1週間後に入院しましたがなかなか出てきてくれず、丸4日かかりました。あの子もまだ一緒にいたいし、私の体もあの子を離したくないんだと実感しました。しかし、死産の1週間ほど前、一番つらくてずっと泣いていた時、夢の中で男の子の赤ちゃんが飛んできてくれて、「短い間だったけどパパとママの子でいれて幸せだったよ。大切にしてくれてありがとう。」と言ってくれました。まだ性別などわからない頃でしたが、お腹の子が会いに来てくれたのだとわかりました。
そして産まれてきて、やはり男の子だったと分かりました。涙が止まりませんでした。
心も体も一日でも早く回復するようにと努めて明るく過ごしていましたが、悪露が止まらず、何度かお医者さんに行きました。しかし、普通のお産と同じようなものだから、一ヶ月以上続いても問題ないと言われました。でも全く良くならないので、死産から1ヵ月半後に別の病院へ行ったところ、胎盤ポリープが出来ているので、掻爬手術が必要だとわかりました。会社を休んで手術を受け、これで体は改善するだろうと思っていました。
掻爬手術の1ヵ月後、仕事で海外出張がありました。事前に病院にいきましたが、経過も良いので大丈夫だろうと言われ、飛行機に乗りました。片道13時間のフライトのまだ最初の3時間で、突然の大出血。まるで水道管の蛇口が壊れたかのように、一向に止まりません。夜用ナプキンは30分でびしょびしょになり、パンツやジーンズ、毛布にまで浸透して、シートまで血がつきました。スチュワーデスさんに連絡しましたが、引き返すことも出来ず、子供用のおむつをもらいました。結局空港に着くまでにおむつを6枚血でびしょ濡れにしました。
その出血は本当に恐ろしく、私はこのまま死んでしまうのではないかと思いました。到着の数時間前に機内にいたお医者さんに血圧を測って頂いた所、上は70しかなく、出血性ショックのため命が危険な状態にあったと後から知りました。結局気を失うことも無くどうにか空港に到着し、待っていた救急車で入院、すぐに再度掻爬手術を受けました。輸血の結果、貧血レベルも通常まで戻ったので、3日目に退院できました。
職場の方にも迷惑をかけてしまい、主人や家族にも心配をかけてしまいました。帰国後精密検査を受けましたが、理由は分からずじまいでした。迷惑・心配かけた分、早く元気にならなくてはと、更に一生懸命明るく振舞ってきました。その後3ヶ月薬を飲み、その後自然に生理も来たので、現在はまた妊娠すべく挑戦中です。
でもこれまで頑張って明るく振舞ってきたせいか、ここに来て心にぽっかり穴が開いたようになってしまいました。何もやる気にならず、何もかもが面倒くさくて...
でもこれでは天国から見ているあの子に恥ずかしいですね。あの子がまた私達のもとに帰ってきてくれるためにも、毎日笑って過ごせる様に頑張ることをここに宣言したいと思います。