2005年1月5日誕生 翌6日逝去 36週4日 原因不明 ![]() |
待望の第二子でした。一人目も二人目も子宮内膜症を克服しての妊娠でした。 上が男の子なので、夫は女の子を熱望していました。4歳になる息子は日頃から赤ちゃんが大好きで、一緒に遊べる弟が欲しいと言っていました。私自身は五体満足、元気で生まれてきてくれさえすればどちらでも・・・ということだけが妊娠当初からずっと願っていたことでした。 待望の妊娠だったので、妊娠判明は5週4日というスピード。 腰痛には悩まされましたが、夫が毎晩のようにマッサージをしてくれ、つわりもなく、検査も何の異常もなく、順調そのものの経過でした。 |
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いよいよ臨月・・・もういつ生まれてきてもいいように年末にオムツライナーなど消耗品の買い物を済ませたところでした(衣類は上の子の物があるので)。まさかそれから1週間後、あんなことになるなんて・・・。 |
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1月5日 朝から弱い生理痛のようなお腹の痛み。横になって休憩しながら、冬休み中の息子の相手をしていました。そういえば・・・今朝、仕事始めの夫を見送りながらドンッ!とお腹を蹴られて以来、今日はあんまり動いていないなぁ・・なんとなく気になりだしたのが15時頃だったと思います。臨月に入ったし、もともと出産が早くなりそうな気がしていたので、もしかしたらそろそろ生まれるのかなぁ・・・と思ったりしていたのです。 21時過ぎ、夫が帰宅。胎動がイマイチ感じられないことを伝えると、翌日出張予定になっていた夫は、自分が留守中に何かあっても・・・と心配し、病院へいくことになりました。病院に電話をすると「念のため、産褥セットを持ってくるように」とのことだったので、「もしかしたら明日くらいには生まれてるかもね」なんて笑いながら息子も連れて外出し、病院に着いたのが21時半。 あらかじめ主治医も待っていて下さり、すぐにエコー。トクトクトクといつもと同じように動いている心臓。ドクターも看護師さんも、そして私自身もホッとしました。破水してるかもしれないからと内診し、それも異常なし。 「まぁ念のため心音を30分くらい測ってから帰って下さい」と言われ、心音を測り始めて15分後、一生忘れることのないその時が来ました。 150〜160あった脈拍がドンッ!と一瞬で70まで下がり、見る見る50を切りました。一瞬でした。私と夫は目を見合わせ、機械の故障を疑いました。ノンストレステストの機械がピーッと異常を知らせ、赤いランプが点滅しています。ドタバタと看護師さんが慌てて駆け寄り、婦長さん、主治医、たくさんの人が次々と駆け寄ってきます。ナニ!????? 何がなんだか訳が分からないままに、臥位になったり、酸素マスクを着けたり・・・。「とにかく異常です! 心臓がおかしい! 緊急オペで赤ちゃんを出しますから!」という主治医の緊迫した表情。 夫は手術同意書などの事務手続きをするために別室へ連れて行かれ、私は麻酔技師から質問を受け、すぐに寝台に移りました。ベッドの足元で、息子が今までに見たことのないような不安げな顔ですすり泣いていたことを覚えています。 22時37分、彼女はこの世に確かに誕生しました。 お腹から取り出された赤ちゃんを、うっすらと見たような気がします。 3086g・49cmでした。 心拍の急激な低下から小一時間・・・。新生児仮死から蘇生されたものの重度の低酸素性虚血性脳症になっていました。 |
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翌6日13時12分、私たち夫婦と息子に看取られながら彼女の魂は天使になりました。直接の死因は虚血性心疾患でした。病院を恨んではいません。産科でもNICUでも全力で対応していただいたと思っています。NICUの担当ドクターも不眠不休で治療にあたって下さっていたと、後に夫から聞きました。 最期のとき「もう手の施しようが・・・。心臓がだんだん弱ってきていて、鼓動がゆっくりになってきています。」と涙をいっぱい目にためて、私たちに伝えて下さいました。心拍の急激な低下の瞬間を家族全員で目撃しました。運命だったのだと思います。結局、心拍低下の原因は不明。 私の胎盤と臍帯は病理検査に出されましたが、絨網膜と羊膜・臍帯に炎症が見られるものの、胎児の急激な心拍低下の原因となるものではない、とのこと。またNICUからも、今回のことさえなければ健康体そのもの、とも・・・。 『ほのか』とあとで名付けました。 お正月に夫が思い付いた名前でした。漢字を相談していたところでした。亡くなってからのいろんな手続きに彼女の名前が必要で、漢字を考える時間がありませんでした。焦って納得のできない漢字で名付けるより、ほんのりとした彼女の雰囲気そのままに、ひらがなにしました。 葬儀の前に、最後の家族写真を撮りました。息子もほのかを抱っこしてくれました。みんながあなたを心から待っていました。 本当にごめんね、ほのか。元気に産んであげられなくて・・・。 でも、心はいつも家族4人一緒だよ。もう一度、お母さんのお腹に戻ってきてね。 |