こころは、私達夫婦にとって初めての子でした。
5ヶ月の時に、私の子宮は壁がある、子宮奇形だという事が判明し妊娠中は何かと慎重に、かつ不安に過ごしていました。
こころはお腹の中で元気に育ってくれました。子宮の中央に壁がある為、こころはゆりかごの中にいる様な体制でお尻が下にある為、帝王切開に決まりました。ところが、入院の前日胎動を感じなくなり、一睡も出来ないまま入院当日の朝方に破水の様な感じがありました。
病院に行くと、やはり心拍は無く、先生が、『出来るだけお腹は切りたくない』との事で、それから3日かけて促進剤で出産しました。
へその緒が、一部分細くなっていた様です。現実を認めるのが辛くてこころに会うつもりはなかったのですが、長男を2ヶ月の時、肺炎で亡くされてるお義母さんが『こころが、お母さんの顔が分からなかったら、お盆とかに帰って来た時、どこに行ったらいいのか迷ってしまうよ』…と言われて、会う事を決断しました。
写真も撮って、沢山のお供えと一緒に寝室に飾ってあります。
今となっては、髪の毛や、手形なんかも沢山残しておけば良かったと後悔してます。抱っこもなんだかその感触が忘れられなくなりそうで出来ませんでした。それが正しかったのか今は分かりませんが…
それから一回の流産を経て3年後に、健康な女の子を出産した今忙しい生活にまみれ、こころに対する思いが少しずつ薄れいく自分を非情に感じます。
毎日生きていると、記憶は日々遠くへ追いやられてしまいます。だから、沢山の思い出が必要だと思います。
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