32週 2001.9.14 生後19時間 胎児心臓異常(単心室・大血管移転・肺動脈閉鎖) |
★3回目の妊娠 大生(たいせい)を授かったのは長女が生後10ヶ月に入った頃。長女も早産、未熟児だったが、元気に育っていたのでこんなにかわいいなら何人でも…と思っていた矢先の懐妊で嬉しかった!でも、つわりとまだ歩けない長女を抱っこしたりと、お腹にいる大生はつい後回しになってしまった… 長女を産んだ産院の先生からは、くれぐれも気をつけるよう言われていたのに、妊娠7ヶ月に入った検診で、『非常に危険な状態!大きな病院を紹介するから…』と言われてしまった。 ★25週で入院 お腹の張りがすごくて即入院!絶対安静の状態が続き、まだ幼い長女と逢えない辛さと、寝たきり状態の過酷な入院生活が1ヶ月過ぎ、そろそろ妊娠30週に入りベッド廻りだけ動けるようになったとホッとしていたら、超音波の検査で心臓が奇形であることが判明した。主人がすぐ呼ばれ、私には直接説明されなかったが、とにかく少しでもお腹で大きく成長させて出産するのが何より!と…こんなにお腹の中では元気なのに何故…それでもその時は、『この子は大丈夫!絶対!』と思っていた。しかし、赤ちゃんの状態を知る為に、小児科医立会いでまる一日超音波の検査をして疲れたのか、次の日お腹の張りが止まらなくなった。ウテメリンの濃度が上げられて夕方には少し落ち着いたが、主治医が来て『残念だけど、ここで生まれてしまっても小児心臓外科の専門医がいないから、これから専門医の病院へ行きましょう!』と言われた。その時はもう主人が病院へ呼ばれていて、救急車で都内の病院へ搬送された。 ★出産到着したのが午後7時頃だったか… 子宮口が3cm開いていて、継続的な張りもある。もう産まれてしまう。それでも1分でも1秒でも長くお腹に…という感じでウテメリンを続けた。その間、また赤ちゃんの状態を詳しく知る為に、数十人の医師に囲まれ超音波の検査が続く!そして一通りの検査が終わって分娩控え室に入った!数分間隔の陣痛が続いた状態で9時間程たった午前4時、小児科立会いで大生が生まれた!小さくてあっと言う間だった! ★2001.9.14 AM 4:06 産声は聞こえないが処置されている音が聞こえた!『神様助けてください…』呪文のように言い続けた!しばらくして先生に抱かれた大生が分娩室を出て行った!抱かせてはもらえなかった。 でも生きている!一通りの検査が終わり主人と面会へ行った!NICUへ入るのは初めてでドキドキしたが、大生を見たとき、沢山身体にチューブを付けられていたけど、ただ小さいというだけでとってもかわいくて、おねちゃんそっくりで、細くて長い指で私たちの指をぎゅーっと握り返してくれたのでとても安心した。これからきっと長い入院に手術もしなくてはならないと思うけど、いっぱいおっぱい絞って持ってくるから…そんな思いでNICUを出た。主治医との話しが次の日の伸びたので、主人は一度家に戻った。私は興奮してか眠れず横になっていた、夕方6時?7時に小児科から呼び出された。NICUへ入ると先生に主人をすぐ呼ぶように言われ電話した。特に詳しい説明はしてもらえなかったが、とにかく赤ちゃんのそばにいるよう言われ大生のもとへ…朝の面会時とはまるで違う大生がそこにいた。無我夢中で触れる場所を撫で、呼びかけた。ずーっとずーっと…一人で…最初は『おかあさん奇跡です!もう大丈夫!』と言われる信じて…でもだんだん、『パパが来るまで…パパ早く来て…』大生の済んだ青い瞳から涙かこぼれる…ようやく主人が、もう涙をいっぱい浮かべながら入ってきた。私もまた必死に声をかけた…でも、先生に『もうこれ以上は赤ちゃんを苦しめるだけだから、抱っこしてあげましょう』と言われ、私たちはうなずいた。初めて私の腕の中に抱かれた大生は壊れそうな感じだった。その時は付けられていた器具が外された瞬間大生は天使になってしまったと思っていたけど、後から思うと私の腕の中に抱かれた時はまだ生きていたのかもしれない…その後、主人と二人で身体を洗い病院の配慮からその晩病室で3人親子水入らずで過ごさせてもらうことができた。主人と交代交代に抱っこし、川の字で寝た。大生はお地蔵様のような穏やかな顔で、ただすやすや眠っているだけのようだった。私たちにとって、特に主人にとっては大生と過ごせた大切な時間になったと思う。 ★名前の由来 残念ながら、大生が生きている時にはこの名前で呼んで上げられなかったけど、主人が名前には『心』か『生』を使いたい!と言っていたので、『大きく生まれ生きた』と言う思いから『大生(たいせい)』と名づけた。 ★大生へ 大生君はママのお腹で9ヶ月、産まれて19時間と言う短い人生だったけど、産まれてきてくれてありがとう。まだまだ何故…どうして…と泣いてしまうばかりの駄目なママですが、いつかまた抱きしめられることを信じています。家族みんな大生が大好きです。 |