2003・12・22  
30週1日 臍帯絡巻 

2003年12月19日
今日は検診。ちょっと心音が遅い。心配ない程度だけど、胎動を意識してね。と言われる。
22日 夕べから胎動を感じない。気のせいかなぁと思っていたけど、朝になっても感じなので、病院へ。夫には、何かあったら連絡するよ、多分なんともないよ、と言うが心配。エコーで見ると、心臓が動いてない。すぐに夫に連絡。そこからは、思い出そうとしても思い出せない。個人病院から紹介された総合病院へ。やはり、動いていない。「子宮内胎児死亡 原因不明」だそうだ。
明日から入院。昼からいて、帰れたのは夕方。早く家に帰りたいしか考えられない。急遽、実家から母が来る。
23日 入院。病室が空くまでLDRで待たせられる。隣りのLDRから産声が聞こえる。生まれて初めて聞く産声が他人の子供になるとは…
24日 今日から促進剤。まったく進行せず。
25日 二日目。10分間隔。22日から眠れない。1時間くらいで目覚めてしまう。先生から出産後、解剖を勧められる。90パーセントくらいは解剖しないと死因がわからないらしい。私は反対。夫はするつもりらしい。
「自分達のためだけじゃないいんだよ。ほかの赤ちゃんのためでもあるんだから。」と夫に説得される。確かにそうだ。解剖する結論になった。できればしないですむように…
26日 夫は朝から来る。間隔が短くなり、LDRに移動。3分間隔で診察。赤ちゃんが横向きのため、先生がお腹を押して頭位する。そのはずみで破水。かなり痛い。これ以上、今日は進まないだろうと判断される。熱がでてきたのと、眠れてないので座薬で解熱をする。薬のせいか眠くなる。あとから考えるとこの日は夫は朝食べてから食事をしていない。
27日 昨夜は薬の影響でグッスリ眠る。夫と共にLDRに泊まる。今日は絶対に生まれる。もし、分娩できなければ帝王切開だそうだ。昨日よりも大量に促進剤をいれる。痛みも強くなり、診察すると子宮口も全開、なんとか分娩。
11時36分1365グラム43センチで息子、
徹路(てつみち)が生まれた。
「臍の緒が絡まってました。その他は何も問題ないですよ。」と言われる。解剖は避けられたので嬉しい。席を外していた夫も来て、二人で対面する。正直ショックだった。お腹で時間が経ってしまったせいか、かなり柔らかくブヨッとした肌。早く産んであげたかった。しかし、夫は「かわいい!かわいい!」しか言わない。一日も早く、元気な赤ちゃんを夫に抱かせたいと思った。
30日 退院。赤ちゃんを抱っこして退院できる日がくるのだろうか。からっぽの腕が悲しい。
2004年12月22日
一年が経った。同じ病院にいる。3日前から予定日超過で入院。今日は絶対に生まれる。結局、帝王切開にしてもらう。
16時29分 第2子誕生。この日を子供達が選んだのだと思う。徹、ありがとう。2004年12月27日 今日は徹の誕生日。残念ながら、病院でお祝い。明日はお家に帰れる。2004年12月28日 退院。車のトランクから去年の病院のレシートが出てきた。どんなに探しても見つからなかった、12月22日のレシート。一年でこんなにも状況が変わるなんて、自分でも信じられない。徹、お前はお兄ちゃんになったよ。